【ぼやき】クラウドソーシングについて思うところ

はじめに

近年、企業と個人をマッチングさせるオンラインサービス(クラウドソーシング)が普及しだし、何度か利用した際の経験談になります。
お断りとしまして、あくまでも私の業務であるWEB制作、一部のオンラインサービスでの話です。
また、クラウドソーシングを取り扱っているWEBサービス全てに当てはまる訳ではありません、もしご利用される際に、自分に合ったサービスを「どう選ぶか、どう使うか」の検討材料にでもなったらと思います。

見積の問題

サイトにもよるとおもいますがクラウドソーシングを利用しマッチングしたクライアントと作業を始める上で見積を行います。
もちろん、見積作業を行う前提には「要件の確認、作業工数や費用の算出」が必要です。
この工数見積は、クライアントとの初回案件か否かで『どの範囲の作業を求められるか』が把握できます。逆を言えば初回の案件では、想定外となる作業を要求されたりもします。
想定外の作業が発生した場合は追加見積を提示しますが、クライアント側からすると、後から追加見積を提示し予算に収まらない状況に陥ったり、改めて納期の相談が必要になったり等、納品希望日に見積工数が合わない状況にもなりかねます。
うまく纏まらないと印象が悪く信頼できない依頼先とレッテルを貼られることもあります。
(そういった場合、第三者が仲介しないと平行線となる話し合いになりがちなので、今後難しいクライアントとして請けないという判断も必要になります。)

クライアント間で共有されるノウハウの積み重ねは工数削減に繋がる大きな要因なので、出来れば関係を続けていただける様にしたい所ですが、費用感がミスマッチのままだと、適正価格で納品しても成果物に対し適正な評価がされない事もあります。

では、何故その様なクライアントと業者間で費用感のギャップが生じてくるかというと、、、
案件を掲載する側であるクライアントから、クラウドソーシング(オンラインサービス)の会社に相場の相談があるそうです。そこで、オンラインサービスを運営する会社は制作作業どころかWEB制作案件の見積を行った事もない素人です。
知識もないまま「他社さんは、この位で募集かけています」と適当な回答をすることになります。

クライアントの中には「受注が来ない前提」で案件を掲載している事も多く、中には時給1,000円〜1,200円で、PHPの知識が必要なWordPress制作の案件を平気で掲載していたりします。これは、クライアントの認識ではWordPress制作作業は「コンビニのアルバイトに毛が生えた程度」の評価なのです。
日の浅いフリーランスWEBコーダーであるか、待遇が非常に良いか、携わりたい事業であるかなど、お金以外の何かが無い限りなかなか選べません。

何故ならWEBコーダーは、HTML、JavaScript、PHP、WordPress、CSS(SASS)、最低限のサーバー知識、SNS、SEOから、
多種多様なデザインデータ(Photoshop、Illustrator、XD、sketch)の調整加工など、「幅広い知識や技術」が必要だからです。

独学の方もいますが、これらは情報関連の学校に通った方も居る様な業種です、WEB製作としての技術を軽んじられ安売りしているといって過言ではありません。
出来れば「技術者」として妥当な費用をクライアントに伝えなければなりませんが、クラウドソーシングの会社としては、「クライアントに安く提供させる」事を軸としているサービスが多いのです。

恐らくオンラインサービスを運営する会社としては、「技術的に簡単な記事投稿作業も、技術的に知識が必要なWEB開発も」、「同じWEBページを作る作業」としか理解できず、更には費用が安ければ案件の掲載数が稼げるので、豊富な案件を取り扱っていると言える様にしているのでしょう。
案件を探す側として大事な事は、「作業に対して妥当な費用感である事と、多くの案件の中から探せるか」です。

あまり深く考えていないWEB制作会社の掲載だと「見積は安ければ良い」としか考えず、質が担保されない状態で仕事を依頼しています。その結果、安い費用に見合った成果物では満足せず、納品が遅延するといった事にもなりかねません。クライアントとしては、当然原因は「受注者の技術不足」として処理されます。
何はともあれ、クライアントが制作物に対しどれだけ適正価格で見積もれるかに掛かっており、それはサービスを提供している会社の知識にも依存します。
最近だと、ランサーズでは案件に対し「適正価格かどうかを誰もが報告できるシステム」があり、とても良い兆候かと思っています。
(とはいえランサーズの案件が、相対的に適正価格とは言えませんが。)

オンラインサービスの選び方について

稀にWEBコーディングの作業内容をよく理解されているクライアントもあります、しかしながらその様な会社が出す案件を探すのは不慣れな場合「ウォーリーを探せ」状態です。
大量の案件の中から一握りの受けられる案件がないかもしれない中、それを探すのは手間がかかります。
そういった状況に陥りそうなサービスはなるべく避け、受注できる案件が多く、ふさわしい適正価格で掲載されているものを探していかなければなりません。

いくつかのオンラインサービスを触ってきた経験からですが、業務委託か、案件単位か、時給で働きたいのか、週何で探したいのか等、条件で一部特化した媒体もあります。更には類似した案件が固まって掲載されている事も多いので、オンラインサービスの長所短所を把握して「サービス媒体自体を選ぶ」のが得策だと思います。

最後に

同じ境遇に遭っている人が少しでも居たらと思い書いてみましたが、多少でも共感できたり、逆に「この著者は分かってない」等、相互に何かしらのキッカケになれたらと思います。
オンラインサービス、クライアント、エンジニア全てに、「案件を共に進める仲間」という意識が芽生えたら嬉しいです。